03.04
カレンダーとキャスト?ラッピングカーフィルムの製造方法
ラッピングカーのフィルムの製造方法について
ラッピングフィルムにはさまざまな製品がありますが、そのなかには「カレンダー」と「キャスト」という二種類の製法によって作られたものがあります。いずれもラッピングカーによく用いられるフィルムですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。製造方法の簡単な解説も含めてご紹介します。
キャスト製法とは?
キャスト製法は、厳密な制御の元で成膜された高品質なフィルムです。粒状の硬質な塩ビをいったん可塑剤へ入れて溶かし、それを特殊なフィルムの上に流し込んで平らにします。その後、熱風乾燥機を通過させると可塑剤が揮発。最終的に薄い膜状のフィルムが残るというのが一連の製造工程です。
仕上がりが非常に薄いのが特徴です。また、カレンダー製法とは異なり、圧力をかけながら製造されないため縮みなどがなく、寸法安定性に優れています。
キャストフィルムがラッピングカーに適している理由
キャストフィルムのメリットは主に以下の3点です。
- 長期耐候性が実現できる
- 作画性に優れている
- フィルムが薄く柔軟性が高いので三時局面への施工に適している
これらはラッピングカー施工において非常に有利な条件であり、長期的な施策の際に多く用いられています。
カレンダー製法とは?
カレンダー製法の元になるのはキャスト製法同様、粒状になった硬質の塩ビです。違いは、可塑剤はかけるだけであり、軟化した状態でロール状の棒を使い圧力によって薄く製膜される点にあります。
低コストで大量製造に向いているのが大きな特徴です。ただし、貼付後に縮みやすいという点は、ラッピングカー施工においてはデメリットとも言えるでしょう。これは圧力によって薄くのばされていることが原因で、塩ビの持つ復元力によって縮みが起こるのです。しかし、適度な厚みがあるので、作業性自体は悪くありません。
安かろう悪かろうではなく、用途次第
こうして特徴だけを挙げると、カレンダー製法によるフィルムはラッピングカー向きではないようにも見えます。実際に、耐久性の面でもキャスト製法には劣ります。
しかし、短期プロモーションに用いるといった場合には非常に有用です。コストが抑えられるという点は大きな魅力ではないでしょうか。欠点はあるものの、使い方次第では大きな問題はありません。このように、大切なのはコストとフィルムの特性を把握したうえで、適切なものを選択することなのです。
まとめ
当社では、お客様のご要望をしっかりお伺いしたうえで、適切なフィルムの選定や施工方法のチョイスを行い、ご提案を差し上げております。「キャストだからいい」ではなく、「なぜキャストなのか?」までしっかりとご説明いたしますので、ご不明点があれば遠慮なくお尋ねください。