06.18
ラッピングカーデザインでも注意したい!視認距離と視認時間の関係
広告において、文字は自社のメッセージを伝える大切な役割を持っています。そのため、目にする人にしっかりと読んでもらえる工夫をしなくてはなりません。そこで今回は、ラッピングカーのデザインにおける「文字」のポイントをご紹介します。
走る広告塔、ラッピングカーだからこその悩み
ラッピングカーは走る広告塔です。だからこそ、人の目を惹いたり、さまざまエリアへと広告を運んだりできます。しかし、文字を読ませるという点においては、看板等に比べて不利であることは否めません。
ラッピングカーは基本的に動く車両です。そのため、視認時間が短くなるほか、車体にかかれた文字自体も動いてしまいます。加えて、視認距離の問題も考えられるでしょう。停車中でもない限り、歩行者が走行中のラッピングカーに近づくことはありません。
このように、ラッピングカーには運行するからこその悩みがあります。デザインの際には、その点を踏まえて文字サイズ等を考えなくてはなりません。
文字の大きさを示す国土交通省のガイドライン
では、ラッピングカーに最適な文字サイズはどのように考えればいいのでしょうか? そのヒントが、国土交通省の「公共交通機関旅客施設の移動円滑化整備ガイドライン」に掲載されています。
以下は、看板における最適な文字の大きさを示した表です。
視認距離 | 和文字 | 英文字 | |
遠距離 | 40m | 160mm以上 | 120mm以上 |
30m | 120mm以上 | 90mm以上 | |
中距離 | 20m | 80mm以上 | 60mm以上 |
近距離 | 10m | 40mm以上 | 30mm以上 |
5m | 20mm以上 | 15mm以上 |
なお、上記の数値は両目の視力が0.5の人を前提として作られています。実は道路標識もこの基準に沿って作られているのです。
ちなみに、上記は以下の公式に基づいて計算されています。
和文字の縦サイズ(cm)=看板までの距離(cm)÷250 |
“動き”を踏まえるなら、さらに大きな文字サイズが重要
前項で示した表や公式はあくまでも「看板」における最適な文字サイズです。そのため、「動かないこと」が前提になっているのに注意が必要です。ラッピングカーの場合は、前述のとおり「動く」広告。それを踏まえると、前項の表の文字サイズ×1.5~2が適当と言えるでしょう。
なお、注意すべきは文字サイズだけではありません。フォントについても視認性を意識する必要があります。たとえば明朝体フォントは全体的に線が細くなりがちです。一方、ゴシック体フォントは文字の太さが均一となるため、比較的読みやすいというのが一般的な見解です。
しかし、ラッピングカーの場合はデザインとの兼ね合いもあります。イメージ的に明朝体がマッチするとなった場合は、文字サイズをさらに大きくしたり、ボールド(太字)をかけたりするなどの工夫が必要です。
まとめ
広告効果を高めるためには、文字ひとつであってもその役割を踏まえた工夫が大切です。ラッピングカーのメリットを生かしつつ、弱点を克服できるデザインを考えましょう。